筋肉

「棘下筋まとめ」起始・停止、ストレッチ、四十肩・五十肩などで肩の前面の痛みは棘下筋が関係している

2017年10月25日

肩甲骨につく、棘下筋。
五十肩の痛みに最も関係しているが棘下筋であるとも言われています。

今回はそんな棘下筋について書いていきます。

棘下筋の起始・停止・神経・作用

棘下筋

棘下筋
起始 肩甲骨棘下窩
停止 上腕骨大結節
神経 肩甲上神経C4〜C6
作用 肩関節外旋、水平伸展

※棘下筋のイラストは「イラストAC」に公開しています。こちらからダウンロードして利用できます。

 

棘下筋のトリガーポイントによる肩前面の痛み

四十肩・五十肩になると、肩前面に痛みが出ることが多くあります。
また野球などのスポーツで、最大の筋力を発揮した時に、肩前面に「ズキン」とした痛を感じることもあります。

肩前面に痛みが出ているからと、肩前面を触っても痛みが出ないことが多いです。
これは問題が肩前面にあるのではなく、別のところにあるからです。
それはどこかというと棘下筋です。

棘下筋は肩甲骨にあり、肩甲骨のかなりの範囲を覆っています。
慢性的な肩こりや、スポーツの動作で疲れがたまると、硬くなり、トリガーポイントが形成されます。

棘下筋トリガーポイント

図:トリガーポイントマニュアルより引用

棘下筋を圧迫してみると、硬くなっている部分があり、肩前面に痛みが出れば、そこがトリガーポイントです。

棘下筋のトリガーポイントを緩めていけば、肩前面の痛みが軽減してくるのですが、痛みが全部なくなるわけではありません。

また、棘下筋の施術は、けっこう痛みを伴うことが多く、やりすぎてしまうと、肩が上がらなくなることもあるので、注意が必要です。

 

ローテータカフ(回旋筋腱板)の一つである棘下筋

腕は肩から垂れ下がっています。
腕の重さは、大人の場合だいたい3kg〜4kgあります。それを支える役目を担っているのが、関節包や靭帯、筋肉などです。

ローテータカフ(回旋筋腱板)は肩を支えて、肩の精密な動きをコントロールしている筋肉群です。
上腕骨の骨頭を包みこむように、「棘上筋」「棘下筋」「肩甲下筋」「小円筋」から成り立っています。

ローテーターカフ

棘下筋はローテータカフ(回旋筋腱板)の一部であり、棘下筋の調子が悪くなると、他の筋肉にも影響して、肩の安定性が乱れることがあります。

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アナトミートレインでの棘下筋

アナトミートレインでは、棘下筋はディープ・バックアームラインの一部です。

ディープ・バックアーム・ライン

画像:医学書院 アナトミー・トレイン 第3版 より引用

このラインは小指から、腕、肩甲骨を経て、首までつながっています。
ですから、小指が疲れると、その影響が棘下筋にも伝わり、肩甲骨の内側や肩こりの要因になります。
肩こりや五十肩は、小指を含める手の疲れが影響していることも多いので、手のケアも大事になります。

 

棘下筋のストレッチ

ストレッチする側の肘を脇に押し付けて、肘を曲げて、手を外側に開いておきます(肩の外旋動作)
そして肘が脇から浮かないように、片方の手で軽く押さえます。

棘下筋、小円筋、ストレッチ

次に、外側に開いた手をお腹の方へゆっくりと捻ってきます。
上腕骨が内旋して、棘下筋とともに小円筋がストレッチされます。

棘下筋、小円筋ストレッチ

伸びて気持ちがいい、という感じはあまりしませんが、この動作をゆっくりと行う事で、棘下筋を含むローテータカフのトレーニングにもなります。
ゆっくりと10回〜20回ぐらい行ってください。

注意四十肩や五十肩で可動域制限がある人や痛みがある人は無理に行わず、できる範囲以内で行ってください。

ホームページ:熊谷市の整体「たかなが整体院」

 

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