半腱様筋と半膜様筋はハムストリングスの一部です。
おもに膝をまげる(屈曲)作用と、股関節を伸ばす(伸展)の作用があります。
この筋肉は膝から骨盤にかけてくっついているので、疲労が溜まって硬くなったり、怪我で痛めたりすると、骨盤の歪み、腰痛、膝の痛みなどの要因になります。
とくにマラソンなどの走るスポーツでは、半腱様筋と半膜様筋を酷使することが多いので、
しっかりとケアをして痛みや怪我を予防しましょう。
※ハムストリングスのイラストは綺麗に描き直したバージョンを「イラストAC」に公開しています。
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目次
半腱様筋の起始・停止・神経・作用
半腱様筋 | |
起始 | 坐骨結節 |
停止 | 脛骨粗面(鵞足) |
神経 | 脛骨神経L4〜S2 |
作用 | 股関節伸展 膝関節屈曲、内旋 |
半膜様筋の起始・停止・神経・作用
半膜様筋 | |
起始 | 坐骨結節 |
停止 | 脛骨内側顆、斜膝窩靱帯 下腿筋膜 |
神経 | 脛骨神経L4〜S2 |
作用 | 股関節伸展 膝関節屈曲、内旋 |
マラソンなどの走るスポーツで半腱様筋と半膜様筋を痛めやすい理由
走る時は、脚を後ろに蹴りだします。
この時に使われる筋肉が、ハムストリングスです。
ハムストリングスは半腱様筋と半膜様筋と大腿二頭筋で構成されて、股関節を伸展し膝を屈曲します、この動きがまさに脚を後ろに蹴り出す動作です。
だから、マラソンやサッカー、バスケなど走るスポーツをやっている人は、ハムストリングスを酷使して、筋緊張が高まっている人が多くいます。
そのまま緊張がとれないままにしていると、怪我をするリスクが高くなります。
ハムストリングスの怪我で多いのが肉離れと、鵞足炎です。
ハムストリングスの肉離れ
筋疲労の蓄積
走って、脚が疲れて、そのままにしておくと、どんどん疲労がたまり、ハムストリングスの柔軟性も低下していきます。
そのうえでさらに、練習や試合で走ると、ハムストリングスの肉離れを起こす可能性があります。
拮抗筋とのバランスの悪さ
ハムストリングスの拮抗筋である大腿四頭筋とのバランスが悪いと、肉離れを起こす要因になります。
一般的に大腿四頭筋の筋力が強く、ハムストリングスの筋力が弱い、という傾向があります。
とくにサッカー選手はこの傾向が強く、ハムストリングスを痛める要因となります。
大腿四頭筋、ハムストリングスの両方をバランスよく鍛える必要があります。
鵞足炎
ハムストリングスの一部である半腱様筋は、坐骨結節から、鵞足と呼ばれるところにくっつくます。
鵞足は脛骨の上部で、位置的には膝の内側です。
半腱様筋の過緊張や柔軟性の低下などによって、付着部の鵞足で炎症が起きた状態を、鵞足炎といいます。
走るスポーツなどで、ハムストリングスに疲労がたまり緊張している状態で、膝の内側が痛い場合は、鵞足炎の可能性があります。
また、スポーツをやってない人でも、膝の内側が痛いという方は、よく調べてみると、鵞足の部分から痛みが出ていることがよくあります。
鵞足には、半腱様筋のほか、縫工筋、薄筋もくっついており、日常生活で脚が疲れていたり、ダルさを感じている人は、これらの筋肉の不調によって、炎症まではいかなくても、触ってみると鵞足に痛みを感じる人はかなりいます。
半腱様筋、半膜様筋のストレッチ
まっすぐに立ち、上半身を前に曲げていきます。
このときに腰から曲げるのではなく、股関節から曲げていくのがコツです。
反動をつけずに、ゆっくりと上半身を倒していきます。
太ももの裏が伸びていくのを感じながら行って下さい。
ハムストリングスの機能分離のセルフケア
ハムストリングスは内側の半腱様筋と半膜様筋と、外側の大腿二頭筋に分かれていて、それぞれが分離して機能することで膝をねじる動き(回旋)をします。
しかし、疲労などによって、内側の半腱様筋と半膜様筋と、外側の大腿二頭筋の機能分離がうまくいっていないと、スムーズな膝の動きができなくなってきます。
内側と外側を分けるようにセルフケアをするとハムストリングスの機能分離を促すことができます。
やり方
長座で座り、片方の膝を持ち上げます。
指を軽く立てて、膝の裏のくぼみに指を入れていきます(膝の裏はデリケートな部分なので、あまりグリグリやらないようにしましょう)
そこから外側と内側の割れ目に指を差し込みながら坐骨結節まで外側と内側を引き離すようにケアしていきます。
鵞足のセルフケア
鵞足は膝の内側なので、自分の手でケアすることができます。
イスに座り、膝の内側のやや下が鵞足です。
指で触ってみると、痛いところやコリコリしているところが見つかると思います。
そこを親指の先端でコリコリとケアしていきます。
あまり強くゴリゴリやってしまうと、逆に痛めてしまう可能性があるので。
硬いものがだんだんゆるんでいくようなイメージを持ちながら、程よい強さでケアしてください。
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