筋肉

長腓骨筋とは、ストレッチやケアのやり方、足底アーチや内反捻挫との関係

膝から下には、脛骨と腓骨の2本の骨があって、腓骨は外側です。
この腓骨には、腓骨筋がついていて、足を外反させる作用があります。

腓骨筋は、長腓骨筋、短腓骨筋、第三腓骨筋と3つあり、そのなかでも、長腓骨筋はもっとも長くて大きい。

腓骨筋、前脛骨筋

長腓骨筋の起始・停止・神経・作用

長腓骨筋

長腓骨筋停止部

長腓骨筋
起始 腓骨頭、腓骨外側面の上部2/3
停止 内側楔状骨の足底面、第1中足骨底
神経 浅腓骨神経L4〜S1
作用 足の底屈、外反(外がえし)

 

長腓骨筋が足のアーチをつくる

足の裏には、アーチがあります。
このアーチは骨格と筋肉で作られており、歩くときや、走る時に地面からくる衝撃を吸収するスプリングとしての役割があります。

アーチは、横アーチ、内側縦アーチ、外側縦アーチの3つがあります。

足のアーチ

長腓骨筋は前脛骨筋とともに、足のアーチを形成する役割があります。

長腓骨筋は、足の外側から、足底の内側楔状骨と第一中足骨につきます。
前脛骨筋は、下腿の前方から、足の内側を通って、測定の足底の内側楔状骨と第一中足骨につきます。

長腓骨筋と前脛骨筋は、足の裏でつながり、一本のロープのようになって足の裏をグッと引き上げる作用があります。
これで足にアーチができあがるのです。

前脛骨筋、長腓骨筋

長腓骨筋が疲れていたりして弱っていると、アーチが減少し、扁平足になってきます。
そうなると地面からの衝撃を吸収しきれずに、膝などに余計な負担がかかることになります。

ですから長腓骨筋をケアして、しっかりとアーチをつくることが大事です。

 

長腓骨筋と足の捻挫と足首の痛みについて

足首の怪我で多いのが捻挫です。
そのなかでも多いのが内反捻挫で、足を踏み外したときなどに、足関節を本来の可動域以上に内がえしした時に起きる捻挫です。

内反捻挫で痛めやすいのは前距腓靭帯と踵腓靭帯ですが、じつは長腓骨筋や短腓骨筋も同時に痛めていることがよくあります。

捻挫の靭帯損傷は、ある程度の期間、足首を固定していれば治るのですが。
治った後に捻挫をするクセがついたり、足首の痛みが取れなかったり、足関節の動きがよくない場合は、捻挫の時に痛めた長腓骨筋や短腓骨筋がそのままになっており、弱体化していることがあります。

足を外反する役目がある、腓骨筋が弱っていると、足が内反しやすくなって、再び内反捻挫を起こすことが多くなるんです。

ですから、内反捻挫をした後は、腓骨筋もよくケアしておく必要があります。

 

長腓骨筋とアナトミートレイン

長腓骨筋と関係のあるアナトミートレインはラテラルラインとスパイラルラインです。

長腓骨筋とラテラルライン

ラテラルライン

画像:医学書院 アナトミー・トレイン 第3版 より引用

ラテラルラインの機能は、姿勢の前後のバランスと取り、両側で左右のバランスを取ることである。
ラテラルラインは多くの場合、体幹と下肢を協調的に安定化するように機能し活動中に身体構造が崩れるのを防ぐ。
医学書院 アナトミートレイン第3版 より引用

長腓骨筋は、ラテラルラインの下部に位置しています、長腓骨筋の調子を整えることにより、歩行時などの体の左右のバランス力をアップすることが可能になると考えられます。

長腓骨筋とスパイラルライン

スパイラルライン

画像:医学書院 アナトミー・トレイン 第3版 より引用

スパイラルラインは身体を二重の対向するラセンで取り巻き、この二重ラセンはすべての平面において身体のバランス維持を助ける。
スパイラルラインは足底アーチと骨盤角とを結び、歩行時における膝の効率的な軌道決定にかかわる。
医学書院 アナトミートレイン第3版 より引用

長腓骨筋はスパイラルラインに対しても、起点となる筋肉で、上記した足底アーチを整え、膝や骨盤、上半身の歪みに対しても影響してきます。
長腓骨筋にアプローチすることで、体全体の捻れの歪みに対して影響を及ぼすことが可能だと考えられます。

 

長腓骨筋のケア

長腓骨筋は腓骨にくっついているので、腓骨沿いにケアをしていきます。
まずは下腿の外側で出っ張っている、腓骨頭を探し、そこから腓骨沿いに指で長腓骨筋を押圧していきます。

腓骨頭と長腓骨筋

長腓骨筋ケア

グリグリと強くやりすぎてしまうと、筋肉を痛めてしまうので、気持ちのいいぐらいの強さでおこなってください。

 

腓骨筋のストレッチ

イスなどに座り、片足を持ち上げてもう片方の膝の上におきます。
手で足を引き寄せていきます、すると下腿の外側にある腓骨筋がストレッチされてきます。
気持ちのいいぐらいの強さで行なってください。

腓骨筋ストレッチ

 

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