筋肉

大腿二頭筋とは、ストレッチやケアのやり方、膝との関係

2017年11月8日

大腿二頭筋は、半腱様筋、半膜様筋とともにハムストリングスと呼ばれています。

ハムストリングス

ハムストリングスは股関節を伸ばし、膝を曲げる作用があり、立つ姿勢を保つ役割があります。

しかし、長時間座っていることが多くなった現代人は、ハムストリングスが硬くなっていることが多く、腰痛や膝痛、坐骨神経痛などの要因となることがあります。

またスポーツの分野では、ハムストリングスの機能はとても重要で、外側ハムストリングス(大腿二頭筋)と内側ハムストリングス(半腱様筋、半膜様筋)が別々に動くことで、膝を巧みに使うことができます。

※ハムストリングスのイラストは綺麗に描き直したバージョンを「イラストAC」に公開しています。
こちらからダウンロードして利用できます。

 

大腿二頭筋の起始・停止・神経・作用

大腿二頭筋

大腿二頭筋
起始 長頭:坐骨結節
短頭:大腿骨後下面
停止 腓骨頭
神経 長頭:脛骨神経L5-S2
短頭:腓骨神経L5-S2
作用 長頭:股関節伸展、外旋
全体:膝関節屈曲、外旋

 

大腿二頭筋と骨盤の歪み

イスに座ってる時に、手をお尻とイスの間に挟むと硬い骨が触れます、それが坐骨結節と呼ばれる骨盤の一番下の部分です。

大腿二頭筋は、坐骨結節と、大腿骨からはじまり、膝を通過して腓骨頭についています。
この大腿二頭筋が緊張していたり、硬くなると、骨盤や膝に影響が出てきます。

具体的には、イスに座っている姿勢は、膝を曲げているため、大腿二頭筋が短縮しています、このままの状態で硬くなると、骨盤が後屈し、腸骨が後下方に回旋、内転、内旋します。
これが骨盤の歪みになります。

さらに、大腿二頭筋が短縮していると、直立した時に、膝が伸びにくくなり、膝をやや曲げておく姿勢になりがちです。

 

ハムストリングス(大腿二頭筋)には膝を回旋させる作用がある

ハムストリングスは膝を回旋させる作用があります。
外側ハムストリングス(大腿二頭筋)は膝屈曲時に外旋させ、
内側ハムストリングス(半腱様筋、半膜様筋)は膝屈曲時に内旋させます。

外側・内側のハムストリングスがそれぞれ別々に動くことで、膝は回旋できます。
これをハムストリングスの機能分離といいます。

ダンスやスポーツでは膝の動きが重要ですが、外側と内側のハムストリングスの機能分離がうまくいっていないと、膝に負担がかかることになります。

普段あまり運動をしてないない人が、急にスポーツを始めると、膝を痛くすることがありますが、これは、外側と内側のハムストリングスの機能分離がうまくいっていない可能性があります。

機能分離を促していくには、ハムストリングスをストレチやケアをして柔軟性を出すことと、外側と内側を引き離すように施術すること(セルフケアでもできます)です。
そうするとハムストリングスへの意識が高まってきます、意識を向けたところはより動かしやすくなります。
これをやりながら、ダンスやスポーツの動きを行い、脳へハムストリングスの動きを定着させていきます。

 

ハムストリングスとアナトミートレイン

スーパーフィシャル・バック・ライン(SBL)と大腿二頭筋

身体を直立させるためには、背中側の筋肉の緊張が必要になります。
この背中側のラインが、スーパーフィシャル・バック・ライン(SBL)です。

スーパーフェイシャルバックライン

画像:医学書院 アナトミー・トレイン 第3版 より引用

ハムストリングスはこのスーパーフィシャル・バック・ライン(SBL)の一部で、直立姿勢を保つために重要な筋肉です。

人は胎児のときは、母体の中で丸くなっています。生まれてから、身体が発達してくると、うつぶせの状態から頭を持ち上げられるようになります、これはSBL筋が発達して可能になります。
その後、立てるようになり、筋力が強化されることで、我々はまっすぐ前を向いて立つことができます。

このようにSBLは直立姿勢を保つのに重要で、SBLの筋力が弱ければ、体は前に丸まってしまうのです。
SBLの中でもハムストリングスは大きな筋肉で、姿勢への影響も大きいです。

さらにハムストリングスは坐骨結節につき、骨盤の前傾、後傾にも関わってくるので、ハムストリングスを調整することは、全身の姿勢を整えることにもつながります。

スパイラル・ラインと大腿二頭筋

全身をらせん状に走るラインが、スパイラルラインです。
身体をねじる為の力を伝えるラインです。

スパイラルライン
画像:医学書院 アナトミー・トレイン 第3版 より引用
大腿二頭筋はスパイラルラインの一部で、歩く時の膝の安定感に関わってきます。
歩行時に膝に痛みや違和感が出る人は、大腿二頭筋の付着部である、腓骨頭に圧痛点があることが、よくあります。ここを調整する事で、膝が動きやすくなるケースがあります。

 

ハムストリングスの機能分離をしていくセルフケア

長座で座り、片方の膝を持ち上げます。
指を軽く立てて、膝の裏のくぼみに指を入れていきます(膝の裏はデリケートな部分なので、あまりグリグリやらないようにしましょう)
そこから外側と内側の割れ目に指を差し込みながら坐骨結節まで外側と内側を引き離すようにケアしていきます。

大腿二頭筋のケア

 

大腿二頭筋のストレッチ

まっすぐに立ち、上半身を前に曲げていきます。
このときに腰から曲げるのではなく、股関節から曲げていくのがコツです。
反動をつけずに、ゆっくりと上半身を倒していきます。
太ももの裏が伸びていくのを感じながら行って下さい。

ハムストリングスストレッチ

 

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