四十肩・五十肩の痛みはどこからくるのでしょうか?
肩の痛みの原因は棘下筋のトリガーポイントであることが多いです。
五十肩になると肩の前方が痛むのですが、
その部分を押してみても、あまり痛くない。
しかし、肩の後方にある、棘下筋を押すと、肩の前方に痛みが誘発されるのです。
五十肩の人の棘下筋を触ると、分厚い筋硬結を触ることができます。
特に肩甲骨の外側の縁にそって分厚い筋硬結が出来ていることが多く、
その中に特に硬い塊りがあり、それを押すと肩の前方に痛みが誘発される。
これがトリガーポイントです。
痛みの治療としては、棘下筋の筋硬結をゆるめる施術を行います。
しかし棘下筋は急に押したり揉んだりすると棘下筋自体に痛みが出やすいので、
肩関節を棘下筋の緊張が取れるポジションにして、トリガーポイントを慎重に探して一点集中で圧を加えていきます。
棘下筋のトリガーポイントはかなり硬くなかなかほぐれてきませんが、時間をかけていけば必ずほぐれます。
一回の施術でかなりゆるむ事もあれば、三ヶ月ぐらいかかる事もあります。
棘下筋のトリガーポイントが無くなれば、肩前方の痛みは消失することが多い。
痛みは無くなっても、肩が動かないという問題が残っています。
肩が動かない原因は肩関節の可動域が狭くなっている事と、肩甲骨が動かなくなっている事です。
肩を上げるという動作は、肩関節の動きと、肩甲骨の動きで行っています、
この二つが良く動けば肩はスムーズに上まで挙げる事ができます。
肩関節の可動域を広げていくのは、時間がかかります、肩関節の構造とそれを支える筋肉や軟部組織が複雑な為です。
ですが、肩甲骨の動きを良くするのは、ある筋肉を施術するだけでかなり動く様になります。
その筋肉は前鋸筋です。
前鋸筋は肩甲骨を前方へ引く筋肉、
肩甲骨が前方に滑りこんで回転する事で肩を真上まで挙げる事ができます。
五十肩の人は、肩周り全体が硬くなっているので、
前鋸筋も例外なく硬くなり、トリガーポイントが出来ています。
トリガーポイントをほぐして、筋肉が柔らかくなるように施術をすると、
前鋸筋がゆるみ、よく動くようになって、
肩甲骨が前方に動く様になり肩が上がるようになってきます。
このようにして、五十肩の痛みと動きを改善していきます。