股関節の痛み

股関節は体重を支えているので、硬くなりやすい、股関節を調整すると骨盤の歪みも整ってくる

肩は腕を吊り下げている、でも股関節は体重を支えている

肩関節は腕を吊り下げています、つまり、つねに重力に対して下に落下しようとする腕を支えてます。

では股関節はどうかというと、立った状態では、自分の体重がつねに、のしかかって圧迫されています。
だから、股関節の周りには強力な筋肉がついているのですが、体重が重くなったり、運動不足だと股関節を支えている筋肉が硬くなり、そのせいで、骨盤が歪んだり、腰痛を引き起こすことがあります。

股関節

 

股関節は圧迫されているのが普通の状態

つねに圧迫されているのが普通の状態である股関節を牽引すると、股関節の受容器は普段とは違う刺激が入るので、周りの筋肉や靭帯が緊張することがあります。

このことから股関節は適度な圧迫を加えることで周辺組織の緊張を取り除くことができると考えられます。

 

仰向けになると腰が反って痛いのは股関節が原因!?

仰向けになって、脚をまっすぐに伸ばすと、腰が反ってきて、きつい感じがしたり、痛みが出ることがあります。
でも、膝を曲げて立てておけば、楽だ、という人が結構います。

これはなぜかというと、股関節を曲げる、腸腰筋が緊張しているからです。

腸腰筋は、腰椎と骨盤の内面から、大腿骨の小転子に付着しています。
太ももを持ち上げる動作(股関節屈曲)が主な作用です。

腸腰筋

また太ももを動かさない様にして、腸腰筋が収縮すると、骨盤と腰椎が前傾してきます。
直立しておじぎをするような動作になります。

このように股関節を屈曲する作用のある腸腰筋ですが、疲労などで筋緊張が続いていると、股関節がわずかに屈曲したままになります。

この状態で仰向けになると、股関節が屈曲している分、腰が反り、膝の下にも隙間ができます。
仰向けになると、腰がきつく感じるのはこのためです。

イスに座る姿勢は、股関節と膝を曲げた姿勢です、このとき腸腰筋は短縮しています。
座っている姿勢が長ければ、腸腰筋の短縮が定着するような状態になり。
仰向けになって寝ると、腰が反ってきつい、といった症状が出る可能性があります。

長時間座らなければならない時は、1時間に一回ぐらい、席を立って、股関節の体操をするといいでしょう。

股関節を伸ばすヨガのポーズ

腸腰筋を伸ばすヨガのポーズ

脚を組むのは不安定なんだけど、ついつい組んでしまうのは、それが楽だから

股関節は立位での安定性が必要なため、まっすぐに立った状態では股関節の靭帯は大腿骨頭をしめつけるように作用し、股関節を安定させます。
逆に股関節を屈曲させると、靭帯がゆるんで、靭帯による安定性はなくなるが、大腿骨が動きやすくなります。

股関節の靭帯

図:プロメテウス解剖学アトラス 医学書院 より

スポーツなどのフォームをよく見ると、まっすぐに立つフォームはあまり見かけませんが、腰を低くして股関節を少し曲げているフォームばかりです。
テニス、卓球などをイメージすると分かりやすいと思います、腰を落として、股関節を曲げたフォームです。なぜこういうフォームになるかというと、股関節を大きく動かせて、運動性が上がるからです。
テニスで、真っ直ぐに立って構えている人は、あんまりうまくない人でしょう。

このように、股関節の靭帯は、伸展位では緊張し股関節を固定し、屈曲位ではゆるみます。

 

股関節の靭帯が最も緩む姿勢は、座って脚を組んでいる姿勢

股関節を屈曲させると靭帯が弛緩するのですが、もっとも弛緩するのは、イスに座って脚を組んでいる肢位です。この時に股関節の靭帯はゆるみ、スポーツ時のような筋肉の緊張も少ないので、股関節が最も不安定な肢位になります。

車のシートに脚を組んで座っている時に、交通事故でダッシュボードに脚をぶつけると、股関節の後方脱臼を生じることがあります、これをダッシュボード損傷といいます。

 

股関節を鍛える運動

両足を肩幅より広く広げて立ちます、次につま先を外側に向けていきます、なるべくつま先が真横を向くぐらいまで頑張ってみてください。
そのままゆっくりと腰を落としていきます。
頭が前後しないように垂直に上半身を下げていくのがポイントです。
10回程度行ってください。
※膝や、股関節に痛みがある人や疾患がある人は無理に行わないでください。

腰割り

横から見たところ

腰割り

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