脊柱

体の大黒柱である脊柱が安定してくると、肩こりや腰痛は軽減する。

脊柱の安定性、3つのシステム

脊柱の図

脊柱が、しっかりと安定して、なおかつ柔軟に動かせる状態だと、
体に力が宿り、アグレッシブに動く事ができるでしょう。

でも、脊柱周りは疲れやすいところです。

大黒柱として、体を24時間体制で支えているわけですから、
疲れは溜まってきます。

脊柱を動かす筋肉とか、脊柱の動きを制御している靭帯とかに、少しずつ疲れが溜まってくると、
ギシギシして動きが鈍くなってきます。
そのうちに腰痛や肩こり、頭痛などの症状も発生しやすくなります。

脊柱の安定性は3つのシステムによってコントロールされています。

①神経系システム
脊柱の正確な動作を促し、動きを調和させる。また受動的システムや能動的システムから、
知覚情報を得て動きを協調させていく。

②受動的システム
椎間板、椎間関節、関節包、靭帯など。

③能動的システム
関節を動かす、筋や腱。

この3つのシステムが背骨を安定させ、なめらかな動きを実現させています。

このシステムのどれかが、あるいは複数が、損傷したり機能不全になっていたりすると、
脊柱の安定性が崩れてきます。
すると痛みや不快感が出てきて、それをカバーするように他の部位に負担がかかり、
今度はそこが疲弊して機能不全になってきます。
このように、どこか一箇所でも不調なところがあると、連鎖的に全身が歪んでくる要因になります。

まず疲れてくるのは能動的システムの筋肉

重心線に沿って、まっすぐ立ち骨格で体重を支えられていると、背中側にある脊柱起立筋はゆるんでいます。
この状態なら、筋肉は疲れません。

でも、まっすぐに棒立ちのまま日常生活を送っている人はいませんね、
美味しいランチを食べる時も、
本を読む時も、
パソコンで仕事をする時も、

何かをする時、ほとんどの場合で前かがみになります。
そうすると、頭を支えるために背中側の筋肉が緊張します、
そのまま、ずっと緊張していると疲れます。

筋肉は疲れても、よく寝てしっかり休めば、また元どおり回復します。

でも、忙しくて睡眠時間が少なかったり、気持ちがソワソワしてうまく寝れなかったりすると、
疲れが翌日に持ち越されてしまいます。
こうして疲れが溜まっている方が多くいます。

疲れは疲労物質や筋肉のコリとして、蓄積していきます。

骨と筋肉の境目や、骨と靭帯の境目などは、疲れが蓄積しやすい場所です。
脊柱で言えば、背骨のポコポコと出ている棘突起や、横に伸びる横突起に筋肉がたくさんついており、
そこに疲れが溜まっています。
そして腰椎や仙骨の境目あたり、仙腸関節周辺、なども疲れが溜まりやすいところです。

こういった疲れが溜まっている場所は、本来の機能を発揮できないため、
上記の3つのシステムが不安定になり、痛みを引き起こす要因になります。

この疲れを一つ一つ取り除いていけばいいのですが、それには時間がかかりすぎますし、
体は全体で一つですから、全体が調和していくように疲れを取っていくのが理想だと思います。

整体でやること

脊柱は、頚椎(7個)、胸椎(12個)、腰椎(5個)、仙骨(1個)、尾骨(1個)、
と椎骨が何個もあります。
それを一つずつ、調整していくのは、実質ムリです。

脊柱はすべてつながっており、また脊柱から、骨、関節、筋肉などを通じて、身体はすべてつながっています。
この事実を踏まえれば、足のつま先や、手の指先からも、脊柱にアプローチすることができます。
当院で行う、操体法はこの体のつながりを利用する施術です。
首がなんだか調子わるい、腰が痛い、など局所的に痛みや不調があっても、そこだけでなく、
体を動かしてみて、快、不快を感じながら、心地よいと感じる動作をしていくことで歪みが調整され、
体のつながりを通じて脊柱へも変化を促すことができます。

全体的に調子が整ってくると、不調の根源的な場所が現れてくることがあります。
そういった場所は、局所的に丁寧に施術をして疲労の蓄積を取り除いていくようにします。

身体の歪みが取れてくると、体が動きやすくなります、
体をひねったり、前屈や後屈が楽に行えるようになってきます。
これは脊柱が安定してきて力が入るようになってきているからです。

身体の中心である脊柱のコンディションを整えておくことが、力をみなぎらせる秘訣だと考えています。

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