骨盤矯正と聞くと、施術家が骨盤をカチッと、最適な位置にはめるようなイメージがありますが。
そうではありません。
骨盤矯正は、骨盤の最適な位置を、あなた自身が見つけ出し、自力で調整できるようにして行くものです。
さて、「最適な位置」とはどこでしょうか?
例えば骨盤は前傾と後傾ができます。
骨盤を前傾させて行くと腰が反ってきます。
骨盤を後傾させて行くと腰が丸まってきます。
前傾も後傾も、どっちも極端にやると「きつい」です。
「きつい」というのは、関節にも筋肉にも負担がかかっている状態なので、「最適な位置」とは言えないですね。
前傾と後傾の間にある、一番楽な位置、それが今のあなたにとって「最適な位置」です。
ニュートラルポジションとでも言いましょうか。
きつい感じもなく、力んでいる感じもない位置、それが楽な位置ですね。
楽な位置なら、そこからどの方向にもスッと動ける、それが「最適な位置」だと私は考えています。
それは少し前傾気味かもしれないし、後傾気味かもしれないし、真っ直ぐなのかもしれない。
その人の年齢や、体型、筋肉の状態、身体の使い方のクセによって変わってきます。
整体では何をやるのかというと、可能性を広げて行くことをやっていきます。
「もっとこういう風に骨盤は動くんですよ」
「こういう身体の使い方をすると、骨盤はこう動くんですよ」
ということをやって行くと、いつもより骨盤を動かす幅が広がるし、
自力で骨盤を動かすトレーニングにもなる、それが可能性が広がるということです。
自分の力で、骨盤を自在に動かせる可能性が広がってくると、「もっと楽な位置」が見い出せるよになってきます。
「もっと楽な位置」を見つけて行くために必要なことが、もう一つあって、それは感覚です。
あなたの今の姿勢を決めているのは何かと言えば、身体の感覚です。
身体には、関節の状態をモニターするセンサーや、筋肉の状態をモニターするセンサーなどが、いたるところにあります。
そこで集められた情報こそが感覚です、それを統合して今の姿勢になっています。
きついのか楽なのか、を感じているのはまさに感覚で、
感覚が鈍っていると、きついのか楽なのかよく分からなくなる。
でも整体をやっていると、自分の身体に意識を向けて行くので、感覚がだんだん磨かれてきて、
分かるようになってきます。
骨盤を動かす可能性が広がり、そして動きを感じる感覚が磨かれてくる。
そうすると座った姿勢、立っている姿勢、歩いている姿勢などの日常生活の動きの中で、骨盤の最適な位置をその都度、自分の力で見い出し、無意識に調整できるようになる。
これこそが骨盤矯正の目指すところです。