これまで、多くのセラピストや治療家、施術家が、仙骨を重要視してきました。
仙骨は、脊柱の一番下に位置して、背骨を支える土台です。
仙骨の左右には腸骨があり、骨盤を構成しています、関節部分は仙腸関節と呼ばれ、この仙腸関節も、多くのセラピストが重要視しています。
仙骨と腸骨からなる骨盤は、体の中心にあり、内臓を支えています。
脚部の神経で、最もよく聞くのは、坐骨神経ですね。
この坐骨神経は仙骨から出ている仙骨神経叢の一部です。
200個以上ある、人間の骨で、仙骨はもっとも重要な骨とも言えそうです。
例えば肋骨が一本なくても、生きていくのに問題はないですが、もし仙骨が無くなってしまうと考えると恐ろしいですね、骨盤が崩壊し、脊柱も土台を失いバラバラと崩れてしまうのではないでしょうか。
仙骨はそれだけ重要ですから、その仙骨が何らかの影響で歪んだりすると、腰痛をはじめとする、様々な症状が現れてくるんですね。
仙骨が歪む原因はいろいろあるのですが、その一つは、ハムストリングスとふくらはぎの短縮です。
これはアナトミートレインのバックラインでつながるラインです。
画像:医学書院 アナトミー・トレイン 第3版 より引用
バックラインは、足底から始まり、ふくらはぎ、ハムストリングスとつながり、仙結節靭帯につながり仙骨につながっています、さらにその上は脊柱起立筋とつながり、頭の額までつながっています。
一般的な解剖学の本では、ハムストリングスと仙結節靭帯の繋がりは省かれている事が多いですが、実際には明瞭な繋がりがあります。
つまり、ハムストリングスとふくらはぎが短縮すれば、そのテンションが直接仙骨に伝わり、歪みを生じさせることになります。
現代人は、だいたいハムストリングスと、ふくらはぎに、硬結した部分があったり、過緊張している部分があったりして短縮しています。
それを解放してあげることで、バックラインのテンションが変化し、仙骨の歪みも改善されてきます。
仙骨の歪みに関しては、ハムストリングスとふくらはぎだけが原因ではありませんが、
疲れて硬くなっている部分をケアしてあげることは大事です。
ハムストリングスとふくらはぎのストレッチ
股関節から、上半身を曲げていき前屈していきます。
腰からではなく、股関節から曲げていくことで、ハムストリングスと、ふくらはぎをストレッチできます。
タオルを足の裏に引っ掛けて、ゆっくりと手前に引いていくと、ハムストリングスとふくらはぎをストレッチする事ができます。
気持ちのいいぐらいの強さで行なってください。