筋膜の構造
筋肉はラップフィルムのような薄い膜で包み込まれており、その膜は全ての筋肉をつなぐ役割をしている。
言い換えれば人の体は一枚の膜でピタッと包み込まれているようなものです。
身体が歪むのは、その膜がよじれてしまうからです。
例えば着ている服を引っ張ると、引っ張られたところは伸びるが、それにつられて布がつながっている部分全部が引っ張られます。
身体の歪みとはそういう感じで起こってきます。
だから、その引っ張ってるところを、なんとかすればいいのです。
私が施術で使う「はがし」というテクニックは、筋膜が捻れているところであったり、筋膜が詰まっているところを、爪の先ではがしていき、筋膜ラインを整えていきます。
よい姿勢を作り出す筋膜ライン
体には機能的な筋膜ラインがあって、それがアナトミートレインです。
特に人間の前後のバランスを司る、フロントラインとバックラインは重要です。
スーパーフィシャル・フロントライン
画像:医学書院 アナトミー・トレイン 第3版 より引用
スーパーフィシャル・バックライン
画像:医学書院 アナトミー・トレイン 第3版 より引用
この二つのラインが歪むと、姿勢が悪くなり、肩こりや腰痛の原因になりやすい。
姿勢が悪いとパワー伝達もよくないので、疲れやすくなります。
さらにスポーツ時に、おもったよりもパフォーマンスが出なくなることもあります。
人の体は左右は同じ構造になってるので、バランスは取りやすいが、後ろと前は構造が異なるのでバランスを取るのが難しくなります。
だいたいの人は、前側に縮こまり、後ろ側は凝り固まって力が発揮できていない状態です。
このような人はどんな姿勢になっているかというと、いわゆる猫背になっています。
現代人は、みんなパソコンのモニターとか、スマホの画面をみている事が多いので、だんだん前側が縮こまってしまう。
まあ、これはしょうがないですね。
前側に縮こまって背中が丸まった姿勢を、引き上げるのが後ろ側のバックラインの役割なのですが、凝り固まって力が出ていない。
だから、フロントラインと、バックラインをケアすれば、姿勢がよくなり、コンディショニングが整ってきます。
ケアするべき場所とやり方
フロントラインのケアするポイント
フロントラインとバックラインは、全身を一周しています。
これを全部ケアするのは大変です。
そこで、筋膜がつまりやすいところを紹介します。
フロイントラインで筋膜が詰まりやすいのが、鎖骨の下です。
特に鎖骨と胸骨の境目はコリができやすい。ここを爪の先で押してみると痛みを感じます。
そのまま爪の先で痛すぎない強さでケアしていくと、筋膜のつまりが取れてきて、フロントラインの機能が回復してきます。
胸の前のつまりが解消されることにより、首が後に反りやすくなる。
顔が上を向きやすくなってきます。
バックラインのケアするポイント
バックラインは体の後ろ側のためケアをやりにくい、でも比較的やりやすくて、なおかつ効くところがあります。
それはカカトです。
カカトにはアキレス腱がくっついています。
ふくらはぎは疲れやすいところですよね、それにふくらはぎは歩くことで、ポンプの作用をして脚部の血液を心臓へ戻す第二の心臓と呼ばれています。
そのふくらはぎはアキレス腱となって、カカトにつきます。そこをケアしていきます。
やり方としては、爪でアキレス腱の付着部をはがしていきます。
カカトの骨からアキレス腱をはがしていく感じです。
カカトはバックラインにおいて重要なポイントであり、ここをケアすることによってバックラインの緊張感がゆるんできます。
フロントラインとバックラインの流れが回復してくると、前後のバランスが安定してきて、姿勢がよくなりコンディショニングが整ってきます。
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