トリガーポイント

トリガーポイントとは

痛みの原因は様々ですが、腰痛や膝痛、肩こりなどは、筋肉由来の痛みであることが多くあります。
筋肉は疲労の蓄積や、運動不足などで血流が滞ってくると、筋繊維に硬くなる部分ができ、これが筋硬結になります。さらに循環不全が続くと筋硬結がトリガーポイント化してきます。
トリガーポイント化した硬結を圧迫すると痛みが生じます。
さらにトリガーポイントはその部位とは離れた遠隔部にも痛みを放散するという特徴があります。

トリガーポイントの自律神経系への影響

トリガーポイントが活性化すると痛みが増大し筋肉が緊張してきます、
そうなると交感神経が緊張し副交感神経の活動が低下してきます。
このような状態になると体がリラックスできなくなり、よく眠れなくなったり、寝ても疲れが取れなくなってきます。
トリガーポイントを処置すると緊張が抜けてきてリラックスできるようになってきます。

主なトリガーポイントによる痛みや症状

棘下筋のトリガーポイントによる、肩前の痛み。

四十肩、五十肩になると肩の前側に痛む場合があります、この痛みは棘下筋のトリガーポイントからの放散痛によるものが多いです。
四十肩、五十肩の人の棘下筋を触ると、分厚い筋硬結を触ることができます。
特に肩甲骨の外側の縁にそって分厚い筋硬結が出来ていることが多く、
その中に特に硬い塊りがあり、それを押すと肩の前方に痛みが誘発されます。
棘下筋のトリガーポイントは結構しつこいので、
処置するのに時間がかかることがあります。
ですが棘下筋のトリガーポイントが無くなれば、肩前方の痛みは消失することが多いです。

頭半棘筋のトリガーポイントによる、頭痛

仕事をしている間や動いている間は、交感神経が活動しているので痛みはそれほど感じないが、
ほっと一息している時、体を休めている時、副交感神経が優位になってくると、
血管が拡張し、脈をうつようにズキンズキンと頭が痛くなる。
頭半棘筋や後頭下筋群にコリやトリガーポイントがあると、このような頭痛の原因になります。
この筋肉は頭と首の付け根の深部に位置する筋肉で、
肩こりが続いて疲労が溜まってくると、
後頭部を締め付けるように硬くなってきます。
頭半棘筋は目の疲れとも関係が深く、目の奥のズーンとした重い感じなどは、
この筋肉を緩めていくと改善していきます。
さらに頭半棘筋を中心とした後頭下筋群のコリは、顔面にも影響し表情が硬くなります。
ひどい肩こりや、頭痛は、頭半棘筋や後頭下筋群を調整すると楽になってきます。

僧帽筋のトリガーポイントによる、肩こり

肩こりでつらいと感じる場所、頸、肩の付け根、肩甲骨の間。
これらは全て僧帽筋が関係してきます。
僧帽筋が頭や肩を支えられている間は肩こりは感じないが、
疲れて支えられなくなってくると、僧帽筋が凝り固まって肩こりを感じるのです。
そして後頭部から首の後ろがきつく締められるようになり、首の可動域が減少してきます。
僧帽筋の上部にはトリガーポイントができやすく、頑固な肩こりの原因になります、
このトリガーポイントを処置することで肩こりから解放されます。

中臀筋のトリガーポイントによる、腰痛

中臀筋にトリガーポイントができると、腸骨稜から仙骨にそって痛みが出ます。
中臀筋が硬くなると、骨盤が歪んだ状態でロックされ、
柔軟性が失われてしまいます、
そのせいで力の伝達が不安定になり、
腰椎や腰の筋肉に負担がかかり、腰痛の原因となるのです。
中臀筋を調整しトリガーポイントを除去すると、骨盤の歪みが整い、腰痛も改善されてきます。

下腿三頭筋のトリガーポイントによる、こむら返りや冷え性

ふくらはぎの筋肉である、腓腹筋とヒラメ筋にトリガーポイントができると、
血流が悪くなり足が冷えます。
循環不全の為、むくみの原因にもなります。
老廃物が溜まり、疲労が抜けずにさらに筋肉が凝り固まるという、悪循環に陥ります。
このような状態が続くと夜間にふくらはぎがつりやすくなります。
下腿三頭筋は重力にたい対して姿勢を維持する筋肉でもあるので、
ここが硬くなっていると、腰痛や背部痛、肩こりといった症状も引き起こします。
施術としてはアキレス腱からゆるめていき、下腿三頭筋の疲労をよく取り除いていくことで、
冷えやこむら返りなどの症状を改善して行きます。

小臀筋のトリガーポイントによる、坐骨神経痛

腰から、お尻周りや股関節の痛みや違和感、
さらには太ももの裏や、ふくらはぎの辺りにも、痛みや違和感がある。
このような症状を、いわゆる坐骨神経痛と言います。
小臀筋にトリガーポイントができると坐骨神経痛といわれる症状を引き起こすことがあります。
このトリガーポイントを圧迫してみると、脚に違和感や痛みが放散します。
小臀筋のトリガーポイントを除去し、小臀筋が働くようになると、症状が改善してきます。