腰痛で苦しむあなたへ
『なんでこんなに腰が痛いんだ、私はただ仕事を頑張っていただけなのに、
毎日毎日、朝から晩まで働いた結果、腰が痛くなるなんて、あんまりじゃないか・・』
『今日も腰が痛い、足がダル重い、なんかシビれてる感じがする、
家事に育児に仕事、もう疲れた、やることが多すぎる、腰痛い、一日中寝ていたい・・』
腰が痛いのはあなたが悪いわけではありません。
腰痛の原因は疲労の蓄積がほとんどです。
疲労の原因は様々、仕事、家事、育児、人間関係、先の見えない閉塞感、不条理な世の中、などなど、何かと疲れやすい現代社会。
疲れには二種類あって、肉体的な疲れと、精神的な疲れです。
そして疲れは身体に現れます。
筋肉は緊張しつづけると凝り固まる、筋肉が硬くなれば、それを覆う筋膜が縮み、
それに引っ張られてだんだん身体が歪んでくる。
歪んだ状態が長く続くと、いたるところに負荷がかかり、そこに痛みが発生しはじめる。
腰痛もその一つです。
身体全体のバランスを整え、リラックスするときはリラックスし、力を入れるときは力が入る、そういう身体にしていくことが腰痛改善の第一歩です。
背中側にある筋肉の疲労による腰痛
立つ時も歩く時も、背中側の筋肉を使っています。
アナトミーラインの浅後線(SBL)は真っ直ぐに立つための機能的な筋筋膜ラインです。
画像:医学書院 アナトミー・トレイン 第3版 より引用
パソコンやスマホなどを操作する時間が長いと、頭の重さを支えるために背中側の筋肉が疲弊し、
この浅後線(SBL)のライン上にある腰が痛くなることがあります。
腰痛の方はたいてい、ふくらはぎやハムストリングスに硬さがあるので、そこをゆるめる必要があります。
骨盤につく筋肉が原因の腰痛
骨盤には、腰を支える筋肉や股関節を支える筋肉がついています。
腰痛の方は骨盤周辺の緊張が高いので、ここを調整し、骨盤の支持力を高めていきます。
坐骨神経痛とよばれる症状が出ている人も、この股関節周辺が原因となっていることが多くあります。
特に中臀筋や小臀筋は腰痛や坐骨神経痛を引き起こす原因となる筋肉です。
この筋肉にトリガーポイントができると腰や脚に痛みや不快感を発生させます。
腹圧の低下による腰痛
腹圧が低下してくると、腰椎の安定性が低下してきます。
その影響で、椎間板や、椎間関節、仙腸関節、さらに靭帯や深部で腰椎を支えている多裂筋などに負荷がかかり、腰痛の原因となります。
例えば重いものを持ち上げる時には、腹筋が緊張して、腹圧が上がります。
お腹全体の圧力が高くなって、腰椎を支える力が増します。
この働きをする腹筋が腹横筋です。腹横筋は4層ある腹筋群の最深部にあり、意識的にお腹を凹ます時に動くのが腹横筋です。
腰痛の方は、腹横筋を意識し使えるようにすることで。腰椎にかかる負担を減らして、痛みを軽減することができます。
腹横筋は深層部にあるインナーマッスルなので、鍛えて筋肉を大きくするというよりは、常に作動できる状態にしコンディションと整えておく。というイメージの方がいいでしょう。
・腹横筋のトレーニング方法
座位で、息を吐きながらゆっくりとお腹を凹ませていく、イメージとしてはお腹の前だけではなく、
わき腹も背中側も、お腹周り全体が細まっていくイメージ。
実際に動作を行うと、ベルトやズボンに隙間ができます。
この動作を、10回繰り返します。
仰向けになり、膝を立てます。手をお腹に当てて、
座位の時のように、ゆっくり息を吐きながら、お腹全体を凹ませていきます。
この動作を10回繰り返します。
腹横筋は意識して動かしていくことで、本来の機能を目覚めさせることができます。
腹横筋が強くなれば、常に適度な腹圧を保ってくれるようになり、腰が安定してきます。
あと、ぽっこりしたお腹も凹み、お腹全体が引き締まります(^ ^)
仙腸関節からの腰痛、ゆるみの肢位としまりの肢位
寛骨と仙骨の境目にあるのが仙腸関節。
図:医歯薬出版株式会社 運動学 第2版より
仙腸関節がゆるみの肢位になると、腰に力が入らなくなってきます。
急性腰痛、ぎっくり腰で「腰が抜けそう」という感じです。
・仙腸関節ゆるみの肢位:仙骨ー後傾 寛骨ー前傾
・仙腸関節しまりの肢位:仙骨ー前傾 寛骨ー後傾
腰に力の入らない、ゆるみの肢位をしまりの肢位へ調整していくことで、
腰に力が入るようになり骨盤の支持力が高まってきます。